「目をあげて」No9

「歴史の事実」

 知らなければ良かった、と思ったことがあります。

7年前、イスラエルで、イエス様を信じているユダヤ人から本を3冊頂きました。そこには、キリスト教会がユダヤ人迫害の中心となった衝撃的事実が記されていました。

 迫害は、先ず3世紀の古代教会に端を発し、中世のカトリック教会で公会議の条項として認められて拡大し(スペインは特に悲惨)、その頂点に、あの宗教改革者マルチン・ルタ−が立っている、とありました。

 ルタ−は、晩年に、『ユダヤ人と彼らのうそについて』というパンフレットを書き、ユダヤ人迫害の具体的方針を八項目にまとめました。その方針に従い、ヒットラ−は1938年1月8日のルタ−生誕記念日に、ドイツにある全ユダヤ教会堂の破壊に着手し、35万人のユダヤ人を虐殺、ここにナチによる600万ユダヤ人虐殺の口火が切られた、とそこに記されていたのです。

 「あのルタ−が?そんなことありえない!」

でも、1984年のルタ−生誕500年記念大会で、世界ル−テル連盟は、この事実を認めたのです。 このショックは今も消えません。

 どうしてこんな致命的過ちを犯したのか?

それは、3世紀の教会の教父が、イエス様が御自分を信じない当時のユダヤ人に“あなたがたの父は悪魔である。”と言われた部分(ヨハネ8:44)を、「ユダヤ人は悪魔的存在だから迫害してもいい。」と解釈してしまったからだ、とその本には記されていました。

 でも、私の良心はよ−く知っています。

私が人を憎む時、決して聖書解釈や神学によって人を憎むのではないことを。私が人を憎む時は、敵を愛せよという主の願いよりも自分を憎む者を憎みたいという肉の欲望の方を私が選ぶからだ、と。

「正しい知識があり良き説教が出来ても、あのルタ−でさえ肉に従うとこんなに盲目になってしまうのだ。」このことをしっかり心に留めておけと、歴史の事実は私を諭すのです。

“御霊によって歩みなさい。そうすれば肉の欲望を満足させるようなことはありません。”                                ガラテヤ5:16