《目を上げて》第2号 目次に戻る
「満天の星」
目を上げると、「わぁ、満点の星!」あの息をのむ体験は、いつのことだったでしょう。夜のとばりがおり、まわりのものがすべてやみに隠れ、自分の姿も消えてしまうほどの暗さの中で、見上げればただ無数の星が無言で輝いていました。
今ではわざわざ人里離れた所へ行かなければ味わえなくなりましたが、この貴重な思い出は、私をいつも三十数年前の青年の頃に引き戻します。
空がきれいだったあの頃、満点の星は私を打ちのめしました。「あの無数の星の一つ、この小さな地球の、その片隅で生きている、数十億の中の一人にすぎない私。どうしようもなく汚れた、醜い最低の私に生きる意味などありえない・・・。」
当時住んでいた社宅の屋上で、水道タンクの上に寝ころがって、あの時、私は誰にむかって訴えていたのでしょうか。見上げた空から、星という星が冷たい光を私に注いでいるように思えた日々でした。
そして、満天の星はさらに思い出させてくれるのです。
イエス・キリストに救われた後しばらくして、私たちは父の転勤で、八王子にある小高い山を切り開いた団地のいちばん奥に引っ越しました。 ある日、学校の帰りが遅くなり、団地の坂道を登り始めた時はもう真っ暗でした。久しぶりに空を見上げました。「あぁ、一杯の星!」私は感動していました。「小さな地球の片隅で生きるこの私を、確かに神は愛しておられる。あぁ、全ての星が私のために喜び、輝いてくれている!」
いつの間にか、私は新しい歌をずさんでいました。
♪ わがために、十字架にかかられたキリスト、この方を我ただ信じてゆこう。・・・♪
“あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、人とは何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。”
詩編8:3〜4