
「つづれ織り」についての皆さんの疑問にお答えします。
質問内容(項目をクリックすると、質問にジャンプします)
Q1、「つづれ織」はなぜ値段が高いのでしょうか?
Q2、外国製の「つづれ織」って存在するのですか?
Q3、外国製の「つづれ織」の簡単な見分け方は?
Q4、つづれ織の帯は礼装に締められますか?
「つづれ織」はなぜ値段が高いのでしょうか?
どの様なものでも言えることなのですが、そのものを作るのに何日(何時間)かかったかによって、そのものの値段は決まってきます。
つづれ織りの場合、特に爪織りの「本つづれ」と呼ばれているものの場合、完全に手作業にて製織しますので、他の織物に比べてかなりの日数がかかります。(無地の名古屋帯1本分(約4.8メートル)製織するのに平均4日かかります)
かかる日数は、柄の細かさによって違いますので一概には言えませんが、手間のかかる細かい柄のもので2ヶ月〜3ヶ月要するものもあります。これに日当を8000円として(職人さんのランクによって日当は変わります)掛け算してみますと、3ヶ月(90日)×8000円で72万円になります。これに材料代、糸染代、図案代等を加えて、我々織り屋の考案料も加えますと概ね100万円くらいにはなるでしょう。でも、これは織り屋の出荷値段です。呉服の業界は、現在に於いては、かなり整理されたといいながらも、まだ消費者の皆さんが知らない、複雑な流通形態が存在しています。流通のことはわかりませんが、当社から出した100万円の帯は、いくらになるのやら・・・
外国製の「つづれ織」って存在するのですか?
前項でも申しましたとおり、「つづれ織」の製織にはかなりの日数がかかります。ということは、日当の安い地域で製織すれば当然安く出来ると言うことで、以前(20年くらい前)から中国などで製織されています。今のところ中国の所得水準は日本の約50分の1くらい(らしい)なので、8000円の日当も160円で済むことになります。先ほどの100万円の帯も単純計算でいくと2万円になりますが、日本人が携わっているところが多少ありますので、いいところ、5万円くらいでしょうか。ただ、私の見たところ、外国製品は織ることに関して「丁寧さ」「親切さ」と共に「日本的センス」が感じられず(例えば琳派の図柄などは日本人特有のセンスが職人には求められますので)、目の肥えていらっしゃる方や、周囲の目が厳しい方にはお薦め出来ません。見る人が見れば一目でわかります。他にも西陣の機屋さんで中国で生産しているところがありますが、それらはジャガードという機械を使って織っていますので、織るためのセンスは「つづれ」ほど求められません。縦糸の上で横糸で絵を描くような作業をするつづれ織りは、上手に織るのにはとても難しい物なのです。
外国製の「つづれ織」の簡単な見分け方は?
「つづれ織」のことをよくご存じの方なら、一見で見分けがつくと思いますが、ご存じでない方のために簡単で確実な見分け方をお教えいたします。

上の写真は、当社の製品に貼付してある、西陣織工業組合が発行している爪掻本綴の証紙です。この証紙が貼付してあるつづれ織りの製品は国産品です。逆に言うと、この証紙が貼付されていないものは外国製ということです(国産品でも外国製と言われても仕方がない)。
この証紙をよく覚えて下さい。
この証紙が貼付してあっても、怪しい場合は、右側の「通産大臣指定伝統的工芸品」の証紙の番号を西陣織工業組合にお問い合わせ下さい(この証紙ですとA0431147)。この番号で製品が写真にて登録されていますので確認が出来ます。
この証紙で偽って売ると勿論「詐欺罪」です。
つづれ織の帯は礼装に締められますか?
はい、締められます。・・・と言うより、これは帯の形態と柄に左右されます。
例えば、「つづれ」ではない帯の事を考えて下さい。袋帯や丸帯で、金銀糸が使用されて、重厚な柄が用いられているものでしたら、当然礼装に使えますね。逆に名古屋帯で洒落た感じの柄や色のものでしたら、礼装には締められません。基本的にはつづれ織でもそのようにお考え下さい。
でも、このような質問をされる方は、呉服屋さんの「つづれだから、名古屋帯でも留袖に締められますよ」と言う言葉と、歌に出てくる「♪大島紬につづれの帯♪」という歌詞が耳について離れないのではないかと思います。
呉服屋さんの言葉は、概ね合っています。「じゃ、さっきの説明は嘘か!」と言われそうですが、そのところが先ほど「基本的に」と書かせていただいた理由です。そこには「つづれ織」の特殊性があります。
昔の話ですが、つづれってかなり高価な帯ですので、庶民には買えない高嶺の花でした(今でも高いですが)。「こんな高い帯がちゃんとしたところ(礼装用)に締められなんて・・・」と昔の人は思い、本来は礼装用ではない名古屋帯でも柄や色が礼装用ならばOKという事になり、そのように販売されてきました。
実は、もう一つ説があります。「つづれ織」についての項で説明いたしましたが、「つづれ」というのは約1300年ほど前に仏教と共に日本に渡来しました。要するに日本で一番古い織り技術の一つです。昔の人はその一番古い織り技術に敬意を表して、「つづれ織」を他の織物より格式を一つ上としました。格式のある織物だから形態としては名古屋帯だけど、礼装にも締められると判断したと言うことです。
たまに、名古屋帯の形で、タレ〜太鼓の部分が長く二重太鼓が出来る「松葉帯」(「二枚上げ」とも言う)と言う帯もあります。これも礼装にお使いいただいても結構ですが、現在は、「つづれ織」の袋帯が生産されていますので、第一礼装にはそちらをお締め頂くのが良いかと思います。
その他、ご質問がございましたら、出来る限りお答えしたいと思います。
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