俳句 田畑益弘俳句の宇宙
□■□田畑益弘主宰インターネット俳句会「銀河系」
これまでの「主宰者特選句」一覧
2008年 平成二十年
★十月句会 第七十回「銀河系」兼題「冷やか・秋冷・冷ゆ・朝冷え・夕冷え」
山際一郎選
題詠 冷やかに目薬老いの眼を溢る 綾乃
雑詠 木犀や小康といふよき便り 阿紀
田畑益弘選
題詠 焼甘栗買ふ夕冷えの河原町 聡美
雑詠 秋澄みて膨らんでゐる水平線 まどか★九月句会 第六十九回「銀河系」兼題「檸檬」
山際一郎選
題詠 爆弾のやうにレモンを置いておく 勿忘草
雑詠 鮭を打つ人には見せぬ顔をして 綾乃
田畑益弘選
題詠 れもん買ひて東京の片隅に帰る 妙
雑詠 月今宵ウインナワルツ父と舞ふ 彩★八月句会 第六十八回「銀河系」兼題「秋の蝉」
山際一郎選
題詠 美ぎ島(かぎすま)や海越えて来る秋の蝉 久美子
雑詠 星になる人をあふぎし団扇かな 勿忘草
田畑益弘選
題詠 校庭に誰もゐぬ日やつくつくし 妙
雑詠 カヤックにB型同士波生まる 久美子★七月句会 第六十七回「銀河系」兼題「泳ぎ」
山際一郎選
題詠 伊東君今も浮輪をしてますか アリス
雑詠 てんとうむし絵本の中に帰りなさい 妙
田畑益弘選
題詠 平泳ぎ淋し太平洋淋し まどか
雑詠 風死してどこかに軍艦マーチ鳴る 綾乃★六月句会 第六十六回「銀河系」兼題「梅雨」
山際一郎選
題詠 ぬか床の香り芳し梅雨の入 雪
雑詠 狒々(ひひ)は怒る我はアイスクリーム舐む 琴糸
田畑益弘選
題詠 梅雨の闇太宰治の死をおもふ 麻里
雑詠 誰彼も羊水が郷夕河鹿 久美子★五月句会 第六十五回「銀河系」兼題「金魚・熱帯魚」
山際一郎選
題詠 向き向きに漂ふ金魚どれ掬お まどか
雑詠 母の日の母をとにかく座らする 勿忘草
田畑益弘選
題詠 おのが顔うつすばかりや金魚鉢 ちかこ
雑詠 麦秋を大きな風の吹くことよ 綾乃★四月句会 第六十四回「銀河系」兼題「落花・散る桜」
山際一郎選
題詠 いづくより枯山水の飛花落花 風車
雑詠 思ひ出にふらここの骨軋みけり 羽合
田畑益弘選
題詠 花筏大きな闇に入りゆけり 妙
雑詠 退屈な時間にとまる春の蠅 まどか
★三月句会 第六十三回「銀河系」兼題「寝る・眠る」
山際一郎選
題詠 春眠の雲へと掛かる梯子かな 琴糸
雑詠 校庭の木に触れてゆく卒業子 妙
田畑益弘選
題詠 夜桜を見てきし眼(まなこ)ねむらざる 麻里
雑詠 春の夜を光源氏に更かしけり 麻里★二月句会 第六十二回「銀河系」兼題「束の間」
山際一郎選
題詠 恋文の送信二秒天の川 アリス
雑詠 たかむらの風の奥より二月来る 勿忘草
田畑益弘選
題詠 恋文の送信二秒天の川 アリス
雑詠 目刺齧る百まで生きてやるつもり 綾乃★新年初句会 第六十一回「銀河系」兼題「笑う」
山際一郎選
題詠 隣人の微笑み怖き天の川 妙
雑詠 三日はや何時もの釣師通りけり 冨美子
田畑益弘選
題詠 守りたき笑顔のありぬ大旦 ちかこ
雑詠 結婚はもうせぬつもり初日記 彩2007年 平成十九年
★十二月第六十回「銀河系」兼題「終る」
山際一郎選
題詠 小説はハッピーエンド木の葉散る アリス
雑詠 年末賞与たまには星を仰ぐかな まどか
田畑益弘選
題詠 この道の果ての怒涛や水仙花 やす
雑詠 ゆつくりと眼を閉ぢてゆく落葉かな 綾乃★十一月第五十九回「銀河系」兼題「男・女・男女」
山際一郎選
題詠 夫婦して白息一二三二三 やっちゃん
雑詠 こんな日は炬燵で亀になつてゐる 妙
田畑益弘選
題詠 居待月夫婦茶碗の不揃なる 冨美子
雑詠 綿虫や海の石置く犬の墓 阿紀★十月第五十八回「銀河系」兼題「世」
山際一郎選
題詠 あの世とは双子の地球渡り鳥 やんしゅう
雑詠 秋澄むや時計をあはす華甲の日 保月
田畑益弘選
題詠 ひとつぶの露にこの世のゆれはじむ ちかこ
雑詠 木の実独楽子のをらざれば吾がまはす 勿忘草★九月第五十七回「銀河系」兼題「食べる」
山際一郎選
題詠 食卓の椅子は四脚虫すだく 阿紀
雑詠 爽涼の空に群なす羊かな 羽合
田畑益弘選
題詠 空腹の学生時代天高し 俊桂
雑詠 秋めくや花背の人に逢ひしより 綾乃★八月第五十六回「銀河系」兼題「手紙・葉書」
田畑益弘選
題詠 恋文を台風の目に投函す ひとみ
雑詠 今来いと呼ばれて月下美人かな やっちゃん★七月第五十五回「銀河系」兼題「太陽」
松本康司選
題詠 あの人と西日のせいで別れたの 妙
雑詠 夏旺ん椅子雑然とジャズ喫茶 麻里
田畑益弘選
題詠 あの人と西日のせいで別れたの 妙
雑詠 曖昧に癒されてゐる海月かな ちかこ★六月第五十四回「銀河系」兼題「影・陰(蔭)・翳」
松本康司選
題詠 翔ぶものの翳の大きく日の盛り 琴糸
雑詠 植田道をんな教師も自転車で 阿紀
田畑益弘選
題詠 ひまはりの影絶叫す長崎忌 篠崎
雑詠 居ずまひを正して読む詩沖縄忌 妙★五月第五十三回「銀河系」兼題「言葉・言の葉・語」
松本康司選
題詠 「御言葉」も遠くなりけり昭和の日 やっちゃん
雑詠 教室西日誰がこぼした赤インク ひとみ
田畑益弘選
題詠 「御言葉」も遠くなりけり昭和の日 やっちゃん
雑詠 蛍火にはじまる吾の不眠かな 綾乃★四月第五十二回「銀河系」兼題「身・体・躯」
松本康司選
題詠 わが身より熱き夫の墓洗ふ 綾乃
雑詠 春愁や草に坐れば草匂ふ 妙
田畑益弘選
題詠 耕人の骨身といふが耕せり 琴糸
雑詠 春愁や草に坐れば草匂ふ 妙
★三月第五十一回「銀河系」兼題「音」
松本康司選
題詠 初桜うしほ満ち来る音聞こゆ 妙
雑詠 永き日の漬物石でありにけり ちかこ
田畑益弘選
題詠 霾や一日ビルを壊す音 阿紀
雑詠 永き日の漬物石でありにけり ちかこ
★二月第五十回「銀河系」兼題「旅」
松本康司選
題詠 島の夜は旅人ばかり水温む 冨美子
雑詠 観音の御衣(みけし)のうすき余寒かな 綾乃
田畑益弘選
題詠 初旅や異国の蝶とすれちがふ 妙
雑詠 春浅し一脚で立つフラミンゴ まどか
★一月第四十九回「銀河系」兼題「口」
松本康司選
題詠 間口二間のさあさ上座へ初明り 久美子
雑詠 杖ついて日頃の道が恵方道 綾乃
田畑益弘選
題詠 間口二間のさあさ上座へ初明り 久美子
雑詠 杖ついて日頃の道が恵方道 綾乃2006年 平成十八年
★十二月第四十八回「銀河系」兼題「色」
松本康司選
題詠 冬ぬくしかあさん色のたまごやき 久美子
雑詠 年の瀬をしづしづ曲がる霊柩車 ゆみ
田畑益弘選
題詠 ポインセチア亡き子を想ふ色となり 綾乃
雑詠 雨上りひかる冬芽の底力 美佐枝
★十一月第四十七回「銀河系」兼題「里・郷」
松本康司選
題詠 故郷やちくわの穴は覗くため やんしゅう
雑詠 くれなゐの屋台ののれん雪催 まどか
田畑益弘選
題詠 故郷やちくわの穴は覗くため やんしゅう
雑詠 かごめかごめうしろに冬の来てゐたり ちかこ★十月第四十六回「銀河系」兼題「羽(翅)・翼」
松本康司選
題詠 翼あるものさへ哀し鰯雲 ひとみ
雑詠 母の辺に縫糸通す夜長かな 阿紀
田畑益弘選
題詠 この羽の主を尋ねて天高し 久美子
雑詠 母の辺に縫糸通す夜長かな 阿紀★九月第四十五回「銀河系」兼題「図」
松本康司選
題詠 星月夜なれど星図の見えざりき 羽合
雑詠 秋の空おいてけぼりになつてをり まどか
田畑益弘選
題詠 秋暑し人あまたゐる洛中図 ゆみ
雑詠 連れ合ひは団塊世代さんま焼く 阿紀★八月第四十四回「銀河系」兼題「詩」
松本康司選
題詠 過ぎりしは詩人のかほの蟇蛙 ちかこ
雑詠 作者辞退のため取り消し
田畑益弘選
題詠 飛行雲ただひとすじの詩は滲む こむ
雑詠 パイロットはホモサピエンス原爆忌 羽合
★七月第四十三回「銀河系」兼題「紙」
松本康司選
題詠 冷房のしづけさに置く紙コップ ちかこ
雑詠 ふらんすの水買ひにゆく熱帯夜 妙
田畑益弘選
題詠 冷房のしづけさに置く紙コップ ちかこ
雑詠 昼寝覚見下ろせばまだゴビ砂漠 勿忘草★六月第四十二回「銀河系」兼題「骨」
松本康司選
題詠 咳こめる母を摩(さす)れば骨に触る ゆみ
雑詠 梅漬けて灯りの町の人となる 小夜子
田畑益弘選
題詠 愛犬シロのそれは小さな遺骨かな アリス
雑詠 どくだみの路地の達筆「ぬけられません」 こむ
★五月第四十一回「銀河系」兼題「傷・疵」
松本康司選
題詠 忠勝の無傷の鎧兜なり 久美子
雑詠 水たまり跳んで五月の風になる ちかこ
田畑益弘選
題詠 よみがへる疵の記憶や更衣 ゆみ
雑詠 かくれんぼ蜥蜴に化けて終ひけり やんしゅう★四月第四十回「銀河系」兼題「鏡」
松本康司選
題詠 けふもひとり鏡の国に飯を炊く ゆみ
雑詠 カーナビの右へ右へと言ふ遅日 阿紀
田畑益弘選
題詠 永き日が凸面鏡に歪んでゐる まどか
雑詠 寿ぎも弔ひもあり霾れる 妙★三月第三十九回「銀河系」兼題「香・薫」
松本康司選
題詠 薫子は少女の名前雛納め 小夜子
雑詠 春の雲アルツハイマーかも知らん 綾乃
田畑益弘選
題詠 葬場に逢瀬を得たり百合かをる 勿忘草
雑詠 檜あふぎの傾ぎいささか夜のひひな 雪之丞
★二月第三十八回「銀河系」兼題「背」
松本康司選
題詠 背に残る香水の名はエゴイスト 久美子
雑詠 自転車のかごに楽譜が揺れて春 えこ
田畑益弘選
題詠 寒き夜のたれもをらざる背後かな 麻里
雑詠 大白鳥孤高の白となりて翔つ ちかこ★一月第三十七回「銀河系」兼題「家」
松本康司選
題詠 百物語家がみしりと鳴りにける 麻里
雑詠 初旅は岐阜羽島より雨となり 阿紀
田畑益弘選
題詠 春満月絵本の家の畳まるる ちかこ
雑詠 初旅は岐阜羽島より雨となり 阿紀2005年 平成十七年
★十二月第三十六回「銀河系」兼題「道・路・径」
松本康司選
題詠 麦熟るる一本道のさびしさに 妙
雑詠 着膨れてしつかり貯金して来たる 妙
田畑益弘選
題詠 麦熟るる一本道のさびしさに 妙
雑詠 冬ざれや古刹の裏の竹箒 阿紀★十一月第三十五回「銀河系」兼題「駅」
松本康司選
題詠 とある日の小駅混みゐて神の旅 麻里
雑詠 底ぬけの浪花秋天あんたが好きや こむ
田畑益弘選
題詠 駅長の一人勤務や晦日蕎麦 風車
雑詠 フルートにふるるくちびるふゆはじめ えこ★十月第三十四回「銀河系」兼題「町・街」
松本康司選
題詠 この町に生きてゆく杖買ひにけり 綾乃
雑詠 白桃や沈黙といふ了承も えこ
田畑益弘選
題詠 この町に生きてゆく杖買ひにけり 綾乃
雑詠 自画像と語りあひたき夜長かな やっちゃん★九月第三十三回「銀河系」兼題「窓」
松本康司選
題詠 月光や窓ことごとくはめ殺し 阿紀
雑詠 片恋や草蒼ければ露蒼く 真沙
田畑益弘選
題詠 窓近くゐて何もせず虫の夜 雪之丞
雑詠 片恋や草蒼ければ露蒼く 真沙★八月第三十二回「銀河系」兼題「顔」
松本康司選
題詠 寒紅や別れを告ぐる貌つくる アリス
雑詠 ひとづまにもどる蜩なきにけり 久美子
田畑益弘選
題詠 夏期休暇夫にも素顔ありにけり 麻里
雑詠 那智の瀧見て来し夜の深き酔ひ 雪之丞★七月第三十一回「銀河系」兼題「涼し」
松本康司選
題詠 橋涼し下駄を鳴らして酔ひにゆく 阿紀
雑詠 日傘ひらき九十九里浜ふわふわゆく 麻里
田畑益弘選
題詠 一汁と一菜に慣れ涼しけれ 勿忘草
雑詠 日傘ひらき九十九里浜ふわふわゆく 麻里★六月第三十回「銀河系」兼題「鮎」
松本康司選
題詠 鮎寿司に小さな膝の並びをり りん
雑詠 水母のみ白し第三埠頭の夜 勿忘草
田畑益弘選
題詠 天上に風のせせらぎ鮎を焼く まどか
雑詠 冷酒ぐらり怖いものなどありません 阿紀★五月第二十九回「銀河系」兼題「更衣」「衣更ふ」
松本康司選
題詠 衣更ふけふもいつもの米を研ぐ やんしゅう
雑詠 白猫が三毛猫生んで聖五月 妙
田畑益弘選
題詠 衣更へていちにちカモメ見てゐたる アリス
雑詠 白猫が三毛猫生んで聖五月 妙★四月第二十八回「銀河系」兼題「朧」
松本康司選
題詠 草おぼろ国分寺址になんにもない 真沙
雑詠 野遊びの半分犬になつてゐる アリス
田畑益弘選
題詠 小児科へ朧の角を曲りけり 麻里
雑詠 脳死てふ命の鼓動落椿 風車★三月第二十七回「銀河系」兼題「囀り・囀る」「鳥の恋・鳥交む」
松本康司選
題詠 囀りや帯新しき古語辞典 梓
雑詠 白粥や治りたくない春の風邪 久美子
田畑益弘選
題詠 アコーディオンプリーツに風囀れる えこ
雑詠 亀鳴くや電気で動くものばかり やんしゅう★二月第二十六回「銀河系」兼題「梅」
松本康司選
題詠 梅白しすつくと背筋伸ばしたる まどか
雑詠 やむを得ぬおならのやうに卒業す 妙
田畑益弘選
題詠 万蕾に切火のごとき梅一花 雪之丞
雑詠 土手青む乗れた見ててと一輪車 保月★一月第二十五回「銀河系」兼題「淑気」
松本康司選
題詠 淑気とはお茶に梅干入るゝこと 妙
雑詠 まつすぐに子宮に響く寒の水 妙
田畑益弘選
題詠 淑気満つ起筆の墨のおきどころ 宙
雑詠 初声や大樹の影の浮かびくる りん
2004年 平成十六年
★十二月第二十四回「銀河系」兼題「十二月」「極月」「師走」
松本康司選
題詠 極月や骨組みだけのプラモデル ちかこ
雑詠 クリスマスイルミネーション逢瀬果つ 真沙
田畑益弘選
題詠 十二月ジグソーパズルばらばらに 妙
雑詠 息白く一鞭くれて調教師 雪之丞★十一月第二十三回「銀河系」兼題「帰り花」「返り咲く」
松本康司選
題詠 生欠伸生返事して返り咲き 麻里
雑詠 狩の犬われを黙殺してとほる ゆみ
田畑益弘選
題詠 蹴ろくろの括れゆく壺帰り花 りん
雑詠 おほかたは泣いて忘るる唐辛子 ちかこ★十月第二十二回「銀河系」兼題「秋の水・秋水」「水の秋」「水澄む」
松本康司選
題詠 ずたずたのこころが映る秋の水 妙
雑詠 ほどほどに人とほる道草の花 アリス
田畑益弘選
題詠 水澄むや智恵子のやうに狂ひたし 琴糸
雑詠 秋の雲ゆつくりまはす吹き硝子 ちかこ★九月第二十一回「銀河系」兼題「流れ星・流星」「星流る」「星飛ぶ」
松本康司選
題詠 ブレーキを踏みし跡あり流れ星 妙
雑詠 天高く無いものは無い仕方ない まどか
田畑益弘選
題詠 沖にまた星の流れて島泊り 雪之丞
雑詠 水色のペディキュア落とし九月かな 久美子
★八月第二十回「銀河系」兼題「秋の蝉」「蜩」「法師蝉」
松本康司選
題詠 かなかなの夢の入口出口かな アリス
雑詠 黒髪の集まつてくる原爆忌 まどか
田畑益弘選
題詠 ひぐらしや母には広くなりし家 えこ
雑詠 少年のブレイクダンス夏惜しむ ちかこ
★七月第十九回「銀河系」兼題「花火」
松本康司選
題詠 手花火やまだ人妻になりきれず 麻里
雑詠 飛込みの刃物になつてゆく途中 アリス
田畑益弘選
題詠 上流も下流も利根の大花火 阿紀
雑詠 片陰を行つたり来たりする噂 えむ
★六月第十八回「銀河系」兼題「短夜」「明易し」
松本康司選
題詠 短夜やはゝのいのちに添ひ寝して えむ
雑詠 滝音のまへ夫も子もゐぬ如し 麻里
田畑益弘選
題詠 短夜やはゝのいのちに添ひ寝して えむ
雑詠 森いまも童話の世界てんと虫 妙★五月第十七回「銀河系」兼題「薔薇」
松本康司選
題詠 蔓薔薇や享年一歳三ヶ月 真沙
雑詠 男より大切な髪洗ひけり まどか
田畑益弘選
題詠 薔薇崩る愛のかたちの変はるとき えむ
雑詠 かの星へ手足わすれて旅の蛇 やんしゅう★四月第十六回「銀河系」兼題「踏青」
松本康司選
題詠 佐伯祐三アトリエ跡や青き踏む 真沙
雑詠 花散るや夕刊を手に渡さるる えこ
田畑益弘選
題詠 六十路には六十路の夢や青き踏む よしお
雑詠 春燈下人形踊りだしさうよ まどか★三月第十五回「銀河系」兼題「蝶」
松本康司選
題詠 てふてふのこの世の遊び始まれり まどか
雑詠 春の海風力塔は風を待つ ちかこ
田畑益弘選
題詠 てふてふのこの世の遊び始まれり まどか
雑詠 百獣の王と眼の合ふ春愁ひ 妙★二月第十四回「銀河系」兼題「冴返る」「寒戻る」
松本康司選
題詠 冴え返るガラスの林檎触れ合ひて えこ
雑詠 撫牛の角つやつやと春立てり 雪之丞
田畑益弘選
題詠 冴返る鎌倉山の居丈高 真沙
雑詠 立春や一樹の光り艶と見て 麻里★一月第十三回「銀河系」兼題「鏡餅」「御鏡」
松本康司選
題詠 お鏡のしんと坐れる国の明け えこ
雑詠 今生やするめのごとく三ケ日 真沙
田畑益弘選
題詠 祖(おや)ありてその祖ありて鏡餅 アリス
雑詠 雪礫少年の目でつかみをり 阿紀
2003年 平成十五年
★一月第一回「銀河系」兼題「初夢」
山際一郎選
題詠 初夢の蕾むくむく動き出す 冨美子
雑詠 行く年や手巻時計の捻子を巻き やんしゅう
田畑益弘選
題詠 初夢の夫饒舌でありにけり 阿紀
雑詠 初電話ふるさとに母あるかぎり 勿忘草
★二月第二回「銀河系」兼題「春浅し」「浅き春」
山際一郎選
題詠 春浅き海をまぶしみゐたるかな 真沙
雑詠 キスをしてうつしてしまふ春の風邪 妙
田畑益弘選
題詠 春浅き海をまぶしみゐたるかな 真沙
雑詠 春空やジャングルジムに子等のこゑ 八栄
★三月第三回「銀河系」兼題「淡雪」「牡丹雪」
山際一郎選
題詠 わたくしのくちびるにとけぼたんゆき 麻里
雑詠 母の手をとれば弥生の野のまぶし 小夜子
田畑益弘選
題詠 該当作なし
雑詠 囀りやくちびるに差す桜色 えこ
★四月第四回「銀河系」兼題「春惜しむ」「惜春」
山際一郎選
題詠 春惜む海一望の汝の墓標 阿紀
雑詠 いつしかにはぐれてしまひ花の昼 えこ
田畑益弘選
題詠 長風呂の湯をあふれさせ春惜しむ 綾乃
雑詠 わだかまり秘めて夫婦の蜆汁 勿忘草
★五月第五回「銀河系」兼題「母の日」
山際一郎選
題詠 母の日や父に聞きたきことひとつ 阿紀
雑詠 紫陽花のごと男の胸に咲いてみる 歌姫
田畑益弘選
題詠 母の日の母は小さくなりにけり 真沙
雑詠 主婦のかほ忘れたき日のサングラス 綾乃
★六月第六回「銀河系」兼題「紫陽花」
山際一郎選
題詠 紫陽花に色を変へたる雨の糸 麻里
雑詠 きょう歩く道のり決めて蝸牛 小夜子
田畑益弘選
題詠 母の声あるかに雨の七変化 冨美子
雑詠 若夏の吾子ふと男臭きかな 勿忘草
★七月第七回「銀河系」兼題「浴衣」
山際一郎選
題詠 亡き母の浴衣しみじみ小さかり 麻里
雑詠 幼な日の夏空もつと広かりき 妙
田畑益弘選
題詠 いくたびも鏡に映り初浴衣 妙
雑詠 童顔を貼りつけてゐる梅雨の窓 清有
★八月第八回「銀河系」兼題「夕焼」
山際一郎選
題詠 ゆふやけやふいに逢ひたくなりし人 阿紀
雑詠 香水の香に母のゐる小抽斗 ゆみ
田畑益弘選
題詠 欠け仏傾き仏夕焼くる 冨美子
雑詠 かき氷サクサクと嘘くずしゆく 歌姫
★九月第九回「銀河系」兼題「秋灯」
松本康司選
題詠 いつも見つむる秋の灯がひとつある まどか
雑詠 桃剥いて言葉少なに別れたる 真沙
田畑益弘選
題詠 今度いつ会へると結ぶ秋灯 えこ
雑詠 よそほひの決められずをり秋の雲 久美子
★十月第十回「銀河系」兼題「蟋蟀」「ちちろ」「つづれさせ」
松本康司選
題詠 蟋蟀や電気仕掛けの御神水 真沙
雑詠 金木犀香り乳房の持ち重り 梓
田畑益弘選
題詠 鉄鉢の黒の静かさちちろ鳴く 保月
雑詠 秋刀魚食ぶ刀に魚と教へつつ 綾乃
★十一月第十一回「銀河系」兼題「冬隣」
松本康司選
題詠 定年の文字裏に棲む冬隣 梓
雑詠 銀杏弾く夕暮れの滑り台 冨美子
田畑益弘選
題詠 矢狭間を抜け来る風や冬隣 保月様
雑詠 木の柿がみないつまでもある屋敷 清有
★十二月第十二回「銀河系」兼題「室の花」「室咲き」
松本康司選
題詠 紅殻の格子旧りけり室の花 梓
雑詠 山眠る待合室は待つところ アリス
田畑益弘選
題詠 二杯目の紅茶いただく室の花 えこ
雑詠 極月やだれかれの顔胸に来る 小夜子