海老の鮮度

鮮度の見分け方

 尻尾や殻の黒変した海老は鮮度が悪いと思っている人が多いが、海老を漁獲後放置すると数時間で頭の部分や足、尻尾に黒変が始まり、肉質の鮮度低下よりも早いので一概に鮮度が悪いとは言い切れない。黒変よりも、肉質の透明感や、殻のぬめりや光沢を鮮度の良し悪しの基準にしたほうがよいと思う。鮮度が落ちてくると、殻のぬめりや光沢がなくなり肉質が乳白色になる。また、臭いも鮮度を見分ける基準の一つで、鮮度の良いものは臭いはないが鮮度が落ちてくると独特の海老臭さがでてくる。殻の柔らかいものは鮮度とは直接関係ない。海老などの甲殻類は脱皮を繰り返しながら成長するので脱皮直後の海老は殻が柔らかい。

鮮度と味(97/07/29加筆)

 鮮度の良い海老は甘みがあって美味しい。これは水溶性のアミノ酸が海老の肉質に多量に含まれているからで、アミノ酸の中でもグリシンが多いほど味がよいと言われている。冷凍海老は解凍されるときに旨味成分がドリップとして肉質から逃げてしまうので、なるべく冷凍回数の少ない海老の方が旨味があって美味しい。国内で解凍して再度トレーに入れて冷凍加工されたトレーパックの海老よりは、店頭で一度だけ解凍されたチルド海老の方が旨味がの残っていておいしい。最近ワン・フローズンと呼ばれている外地(生産地)でIQF(一尾ずつバラバラに凍結されたもの)になった海老を原料にして袋詰め等にして販売されているが、家庭でそのまま冷凍保存するには鮮度が保たれるが、チルドの海老も再凍結しなければワン・フローズンなので同じである。わざわざ少し高い海老を買う必要はない。

エビの国際流通の変化 97/11/03

 

 東南アジアのエビの流れが変化しつつある。3〜4年前まで東南アジア諸国はエビの産出国であったが、ここ数年、自国でのえびの消費が増加傾向にある。特に中国、台湾、韓国にはかなりの量のエビが輸入されている。かつて中国からは88年に約4万トン、台湾から87年に約5万トンのエビが日本に輸入されていた。ところが近年は激減している。(参照:主要国からのエビの輸入量の変化
 80年代は東南アジアのエビ相場に日本の国内エビ相場が反映されていた。言い換えれば日本の独壇場であったが、近年、ヨーロッパ諸国、アメリカが東南アジアから輸入するエビの量が増えてきて、東南アジアのエビも国際商品としての相場が作られるようになった。日本の輸入商社はヨーロッパ、アメリカの相場をにらみながら国際相場の中で買い付け輸入をしてきたが、それに中国、台湾、韓国が加わり、さらに買い付け価格の競争が激しくなってきている。養殖により生産量が確保されて、価格が安定していたが、今年はエルニーニョ現象による異常気象のため東南アジアでのエビの生産量が少なくなっている。日本の国内の消費マインドは冷え切っているので年末に向けて安くエビを輸入したいのだが、このような状況のもとで安く買い付けるのは難しい。


タイのエビ養殖  97/11/16

 

養殖エビ 市場奪われ

 タイの養殖ブラックタイガーが市場に出回らなくなった。現地のドルかが高い、エルニーニョによる異常気象でエビの成長が悪い、病気の発生でエビが大量に死んだ、現地での加工(パン粉付きの冷凍エビフライや寿司エビなど)の原料にまわされ、そのままの製品での輸出が少ないなどと、いろいろな理由を聞かされたが、京都新聞(97/11/14)に興味深い記事が出ていたので紹介する。

 タイ湾を臨む低湿地帯の中で、水田のように畦で仕切られたエビ養殖場。父親の代から漁業を営むウィートンさん(33)はつぶやく。
 「エビ養殖はこの辺ではもうやっていけない。エサ代も高騰している。5年前ぐらいまでは1日2,000バーツ(約6,400円)は稼いだが、今は天然エビで1日200バーツ(640円)から300バーツ(960円)しか収入がない。」
 収入源を少しでも補おうと、土曜と日曜にはスイカ、ココナッツ、マンゴー、などを農家から仕入れて露店で売っている。妻のワニタさん(33)も「エビ養殖漁家は何百とつぶれたわ」と吐き捨てるように言う。
 日本向けを中心にタイの主力輸出品である養殖エビは、労賃上昇や環境問題もあってバンコク周辺では今は成り立たず、国内では中南部に拠点が移った。それでもコストの安いインド、インドネシアなどに市場を奪われ、冷凍エビの1996年の輸出は前年比13.7%と大幅に減少、品目別輸出額で93年には4位だったが96年には7位に後退した。
 エビだけではない。繊維製品は25.6%減、靴も37.6%と大きく、落ち込んだ。地元の繊維会社などは隣国ミャンマーなどに工場を移転している。

 このようにエビ養殖は技術面だけでなく、経済面も大きなウエイトを占めており、今後、世界のエビ養殖地図、流通経路が大きく変化すると予想される。


エビ流通図97/11/30

日本国内における冷凍エビの流通図です。

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