海老輸入の歴史

97/07/15

98/11/01加筆

海老は物価の優等生

 輸入海老の価格は、10年前に比べるとずいぶん安くなっています。卵が物価の優等生と言われていますが、海老もそれ以上の優等生なのです。輸入自由化となってから、一時は海老の価格は上昇して高級品でした。その頃は、天然の海老が大部分でありました。
 その後、養殖海老の時代となり生産量が少しずつ増えてきましたが、近年、養殖技術の進歩や養殖地域の拡大で生産量が大幅に増加したのと、急激な円高ドル安のため輸入価格が急落したので20年前に比べると半値ぐらいになっています。昔は高級水産物であった海老も、今では大衆惣菜品になったのです。海老が物価の優等生と言っても過言ではないと思います。皆さん、安くて美味しい、ヘルシー食品(高蛋白低脂肪)の海老をたくさん食べましょう。

日本の海老の輸入相手国

 1965年当時、中国がわが国の海老の輸入相手国のナンバー1でした。当時は天然の海老がほとんどで、渤海湾の大正海老が中国からわが国に輸入されていた。海老業界では中国大正と呼ばれています。このころは養殖海老は、国産の車海老しか有りませんでした。
 その後、インドやインドネシア、タイなどの東南アジアから天然エビ(ホワイト、フラワー、ブラックタイガー)の輸入が増加し始め中国よりも多くなってきました。 

 ところが、1980年代始めに台湾で通称ブラックタイガーと呼ばれる車海老の仲間が養殖されるようになり、爆発的に生産量が増えた。一時、台湾がわが国の海老輸入国相手国のナンバー1になった時期もありました。。あの小さな国の台湾が、養殖のおかげで世界で有数の海老の生産国になったのです。ところが、海老のウイルス病による大量弊死で、台湾の海老養殖は幕を閉じた。高密度養殖による養殖池の汚染が原因と言われている。養殖池の老朽化とも言われている。

 その後、台湾の養殖技術と資本がタイに持ち込まれ、タイがインドネシアに次いでのわが国の輸入相手国になった。養殖池の老朽化問題は解決されていないが、台湾に比べると海岸線の長さと国土面積がかなり違うのでどんどん新しい池を作って、海老の養殖を行い生産量を維持してきた。最初はバンコク市内から始まり、次第にその周辺に拡大し、その後マレー半島を南下して行った。そのころには、バンコク市内の池は老朽化が進んで生産量は激減したが、南タイの生産量がそれをカバーした。しかし、タイの経済が急激に成長したために生産コストが高騰して、安く海老が作れなくなった。

 そして、次はインドに養殖ブラックタイガー の生産地は移った。インドは、もともと天然海老の生産量は多かったのだが、電力、道路等の問題で品質的にあまり良いものが出来なかった。近年東海岸を中心にかなり良い製品が出来るようになったのと、価格面で他の国よりも安いので、現在ではほとんどインド産のブラックタイガーが店頭で販売されている。

 インドネシアは天然エビの生産が以前から多く、また養殖ブラックタイガーの主要な産出国である。鮮度の良い製品がここ数年増えている。合弁会社も多くあり、船凍エビ(船上で加工処理されて冷凍されたもの)の製品も多く歴史も長い。島国であるこの国は海老の養殖に適した自然環境は整っているが、インドと同じで、道路、電力問題で生産量は伸び悩んでいる。しかし、天然エビと養殖エビと合わせると我が国の輸入相手国としては長年トップの座を維持しており、インド、タイと並んでわが国の主要輸入相手国である。

 フィリピンもインドネシアとよく似た島国でブラックタイガーの養殖の歴史は古く、ほとんどが有頭として輸入さている。わが国の有頭エビ市場におけるフィリピン産有頭ブラックタイガーは安価な有頭エビとして評価が高く、タイ産有頭ブラックタイガーと並んで有頭相場を形成している。しかし総輸入量としては少ない。

 近年、ベトナムからの輸入量が増えている。以前から天然エビの生産の多い国であったが、政治的な問題もあって輸入量はそれほど多くはなかった。近代化政策でアメリカを始めとして自由主義国からの資本投下が多くなり、天ぷら用に加工された尾付きムキエビ等の加工エビや中華料理食材のムキエビ等を含め養殖、天然のエビが輸入されている。

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